1987年、私は“世界を見てみたい”という想いだけを胸に、イギリスへ渡りました。
語学力も不十分で、たいした計画もありませんでした。

スペインの駅で雪に降られ、36kmの道を歩いた夜。モンタナの田舎町で、自然と人の温かさに触れた日々。
その後、ドイツ北部の小さな村ゼーレムで、自然塗料や天然壁材をつくるクライデツァイト社と出会いました。
人口900人の村で、自然と人との共生を大切に素材を生み出す彼らの姿勢は、私のものづくりに対する考え方を大きく変えました。

私たちが扱う自然塗料や漆喰は、クライデツァイト社との信頼関係をもとに、素材の持つ本来の力を活かした製品を、一つひとつ丁寧につくり上げています。

私たちは数えきれないほどの失敗を経験してきました。「なぜそんな危険を冒してまで挑戦したの？」と聞かれることがあります。答えはひとつ。「やってみないと、わからないから」です。

失敗を恐れず、常識にとらわれず、やってみる。
その先にしか、“本当にいいもの”はないと、私は信じています。